山頂は人でごった返していた。
頭が多すぎて、くらくらする。
紅い鳥居をくぐり、本殿を目指すと、途中に神木があった。
注連縄がかかっていて、ちょっと気まずい思いが浮かんだが振り払う。
今はそれよりお参りだ。
順番にならび、二礼二拍手一礼をしようと…
“なー?おかしくねーか”
アカネが話しかけてきた。
…な、なにがおかしい?
“だってこの神社の神様ってうちの知り合いだぜー?携帯にあるし”
まじか!
神様怖ぇ…いや、神様だから当然か。
“しかも神頼みとか…私いんのによぉー”
俺はお前の存在を認めてないっ
“え……いいじゃん、だありん見つかるまでだしー”
本当に見つかるまでだろうな?
“もち♪”
「なにしてんの柚邑、行こ」
「あ、あぁ…ごめん」
見ると紅太はもう参拝をすませたらしい
確かに今からやるとなると、不自然だしなあ…
いいや、諦めちゃえ、と、踵を返した。