妄想世界に屁理屈を。

◇◇◇


「わかったかな、アカネ」


“わ、わかってるし!お父さんはすごいヒッキーなんだろ”

「…間違ってるようなあってるような」


うーんと眉をひそめる苑雛くん。

ヒッキー=引きこもりである、一応。


あむ、とふりかけがかかったご飯を口に運びながら、苑雛くんの説明を反芻する。



神様の神様であり創造神の、創龍。

信仰、神話を司るんだよな。

その創龍は、世界の神話の向上のために子供をうみ、また異界を作って罪人を集めた。

その異界は子供である黒龍に管理をまかせ、罪人の断罪は黄龍に一任した。

そればかりか創龍は“罪人が望んだ神話”を黒龍に守るように命じたあと、青龍に名を変え引退。

自分になにも与えなかったのに憤怒した赤龍は、黒龍の神話の結晶を世間に暴露。

黒龍こと驪さんは、追われる身となる。

そして隠れるために異界をつくり、鳳凰を拾って現在に至る。



壮絶なヒッキーの歴史だな。