「しかし、アカネさま…柚邑に驪さまのことは」


言いづらそうに視線を通わせる。


“知らぬが幸か、知るが幸かっちゅーことだろ?

こいつは片足どころか、頭までずっぽり神様の世界に浸かってる

今更ひきかえせんだろ。


いいじゃん、こいつも巻き込んじまおうぜ?”


うわ、よくわかんないけどいい加減。


「またそのような!鸞さまに怒られますよ!」


“うらぎんねーよ、こいつは。なあ?”


俺に同意を求められた。

いや、意味わかんないし。






“――私のお父さんは、黒龍だ”






ああ!言っちゃった!と叫ぶスズ。


コクリュウ?


黒い、竜…


「ど、ドラゴン…」


“せーかい”


「え、ちょ、それ神様?なんかゲームとかしか浮かんで、」


“神様”


「……お、おぉ…」


なんだか一気にSFになった気がする。