「ふざけんなって、アカネさま!私はアカネさまの家来で、」
「――本気?」
怒ってる。
声音でわかった。
「本気なら、スズはとんでもねー馬鹿だ!とんちんかんだ!芋だ!」
…罵倒語が幼すぎる。
「確かに私は、あんたに居場所をやった!
でも、家来だからとかそんなんじゃない!
それは、すなわち“スズを繋ぎ止めておく”ための手段だ!
好きだから、ずっとだらだらしゃべれる関係でいたいから…
でも!す、スズ鳥だし!」
まあね。
神様は未来永劫生きつづける。
けれど、生き物には寿命がある。
スズはもとはただの雀。
自分と同じにするしか、ずっと一緒にいられない。
神様と生き物のめんどくさい格差が、主従を生んだ。
「“隣”って、言ったじゃねーか…!」
この神様にとっちゃ、スズは上でも下でもない。
ただの“隣”の存在。
アカネには、スズは全くの平等なのだ。


