妄想世界に屁理屈を。

◆◇◆



夜にはなぜか、いっつも眠けが逃げていく。



いや、途中までは確かに眠いんだ。

うとうとと眠くなって、寝ようと布団に…


入るんだけど。


「…」



ぱち、と。

なぜか目がやけに冴えるんだ。


昔はもっと酷くて、でも最近克服して来た気がするのに。


またぶり返してきた。


たぶん、あの男が原因だろう。


「…だあくん、また寝れないの?」


きゅぅ、と抱きついてくる俺の奥さま。

同じベッドにいれば、嫌でも眠れないのはバレてしまう。


「どうしよっか。だあくん明日仕事だもんねぇ」

やけに甘い声で、まとわりつくように体をよせてくる。


「んー…もう一回抱かせてくれたら眠れるかな」


にや、と笑いながら返すと、彼女は真っ赤になって笑う。

「もうっ…だあくんは本当……ダメよ?私も明日仕事なんだから」

相変わらずな仕事人間。

出会った時も、全部仕事を優先させていた女だもんな。