妄想世界に屁理屈を。


「荒れた彼女は家族とも離れて、家出までしました。困っちゃいましたよオトウタマは」


えぇ…
さすが鳳凰一の困ったちゃん&お転婆娘。

子供大好きな驪さんは落ち込んだだろうな。


「シロの捜索を打ち切ったことを伝えた事が原因です」


「…うち切ったって」

アカネが大好きな人を?
優しい破壊の神様を、捨てたの?


「勿論嘘ですっ!」


手を広げて制した。

ホッと胸が和らいだ。

そうだよな、驪さんがそんなことするわけない。


「…ただ、仕方なかったんです。

いたたまれないと思うのは罪なのでしょうか。

いつまでもシロを想って泣いている彼女を想う黒庵が、あまりにも可哀想で、それで…」


独白というより、疑問をぶつけた感じだ。

遠い目にはきっと、荒れたアカネと黒庵が写ってる。


いつまでも報われない二人を立ち直らせたい。


それが二人とも己の子供なら尚更そうおもうはず。


前に進ませるのは親の勤め。

きっと驪さんの事だから、そう判断したのだろう。


「それを鸞が伝えたんです。
鸞はリーダーだからと意気込んで。

けれどアカネは傷ついた。
当然です、姉が弟を捨てたようなもんなんですから」