妄想世界に屁理屈を。



「鸞も苑雛も黒庵も、彼を疎遠にしました。

当然です。触れれば傷つくのですから。

しかし、アカネだけは違いました。


さすがは貿易とでもいうのでしょうか。バカがつくほど御人好しな彼女は、当たり前のように彼に近寄りました」



そうだ。

アカネは悪いやつのラリラリにすら、酒を飲みに行こうと誘うようなやつだ(正式にはラリラリの大元だけど)。


「…想像できます」


あんな見た目して、かなりのお友達大好きな彼女。

スズも、ミサキくんも、宮下さんも――タマも。

理解した上で愛して守る。
それは純粋でひたむきで。

立派な彼女の魅力である。


タマのために時に命すら捨てるような所はちょっといただけないけど。


「そのうちに勝手にあの子は彼に名前をつけたのです。シロ、と」


きっと白という意味だろう。

朱雀みたいな要領だな。


「…驚きました。返事をして、笑ってるんです」