“いっつも苑雛とよろしくふわふわ幸せやってるあんたにゃ、わかんねーんだ!シロを簡単に切るのがリーダーのすることなら、そんなの――”


「アカネ」


すぅ…と、喧嘩に幕が降りる。


驪さんだ。


このままじゃアカネがとんでもないことを言い出しそうだから、止めたのだ。


父親らしく。


「下がってなさい。鸞、少々今のアカネには酷な話です。許可してやってくださいな」


「で、も」


「お父さんの言うことは聞きなさい」


く、と鸞さんが息を飲んだ。


それを合図に消えるアカネ。


「アカネさまっ」

スズが驪さんの胸から飛び出して、主を追おうとした。

「スズはいなさい。アカネの変わりに聞いてやるんです」

「…はい」


が、すごすごと引き下がる。


「鸞、続けて下さい」


「…しらけた。苑雛頼む」

「はいはい。最初から僕がやればよかったです」


とてとてと鸞さんが投げた紙を拾いにいく。


「続けるね?」