窓の景色が、夜に近づいていた。
日が消えたと同時に女体化は始まるらしい。
そう考えると、まだあまり暗くない。
車の時計の針はほとんど進んでなかった。
たぶん眠ってたのはものの二三分。
その間なにがあってこんな容姿になったのか、知りたいような知りたくないような。
「…あとどれくらいなのかな」
「疲れましたか柚邑殿」
「ああいや、違う。何となく」
「あと15分くらいでございます」
“え!?ちかっ”
アカネが緊張したような声を出した。
近いな、確かに。
「アカネ?」
“あー…旦那がどうなってんのか想像もつかねーや”
あはは、と乾いた笑い方をした。
“…でも、ちょっと嬉しい。会いたかった。だありんに”
大人しくて小さな声が響く。
百瀬の恥じらうような声と重なって、百瀬が頭を支配した。
今何してんのかな。
ストーカー一歩手前かも。
途中コンビニによっていき、スズがどこかから差し出した例のメイド服に着替えた。
これ、ただの派手なだけかと思っていたら、下着がないのが目立たない代物なのが判明。
きれいに畳まれたパンツがなぜか入っていて、履くのにかなり手間取った。
…もう泣きたい。


