妄想世界に屁理屈を。


花みたいに済んだ、けど気の強そうな女の声。


声の正体が見たくて、奥の方へ目を向ける。


『ワタクシは高貴な――』


『お友達、だろ?』


『っ…』


聞きなれた間延びした声が重なる。


『ワタクシをそんな風に揶揄できるのは、あなただけよ』


『ハハッ、光栄光栄』


『ふふっ…』



白髪の女がいた。


陽を反射して、七色に輝く白髪。

まるで宝石のムーンストーンのような髪色だった。

ピョコンとその上には狐耳。


目を疑いたくなるような耳に、釘付けになる。


髪と同色で、先っぽだけ黄金に輝いていた。


そこまで豪華じゃない着物を着ている、不思議な女だった。



わかった。

彼女が玉藻前だ。



隣には朱い髪の毛のアカネが、今と変わらない容姿で笑ってる。



なんで、俺はこんなことになってるんだ?


意識だけここに飛んだみたいだ。