妄想世界に屁理屈を。

◇◇◇


アカネが断言したおかげで、今日そこに行くことになった。


…その前に俺の家にいき、母さんに今日泊まってくると告げる。

「りょーかい」だけとか、ちょっと悲しかった。


男尊女卑の反対バージョンを見せつけられた俺は、ミサキくんの車に乗って黒庵さんの所へ。

どうやら、車でこの近くまで来て、そこから徒歩――じゃない烏の姿で探していたらしい。

「…車持ってるんだ」

「吾は主とは違って、役目を終えても消える事ができません。

帰る場所もないため、現代の世に何十年、何百年と生きていくしかないのでございます。

ですから、十年単位で場所を変え、隠れて暮らしてきました。

いまはある会社で社長秘書を努めております」

役目終了→消える→発生するのメカニズムを持つのは鳳凰だけ。

その家来もそうとは限らない。

彼らは、主が消えている間も現代に生きていかなきゃならない。


そうやって成り立ってきた主従関係。


何百年もこの世に溶け込み主を待って、やっと現れた主に無き物あつかいされたら――その悲しみは計り知れない。