妄想世界に屁理屈を。

◇◇◇


「黒?見とらんぞー」


「本当?」


「うむうむうむ」


スズ大好きな彼――宮下ことぐっさんは、ただいまスズに調教されてる。

鼻が高くない天狗なんて信じられないけど、彼は天狗だ。


やはり彼も旦那さんは見てないらしい。


小さな蝋燭の和に入れられ、出るなと命じられている。

「人間に鳳凰が入るとはなあー」


“うるさいって言っとけスズ”

「アカネさまがうるさいだそうです」

「スズちゃんにうるさいなんて言わすな!口が汚れちゃうだろ!」

よくわかんないことで怒るなよ。

「しっかし…二人で危なくなあい?スズちゃんに危険が及ぶなら見過ごせないよ?」

「危険ですよ、普通に」

「だよねぇ、人間は別にどうでもいいけど」


一応年上なので敬語を用いた。


「ワシがついて「いい!いいから!」


途中でスズが遮った。

スゴい勢いで。


「…あの黒いのがのぉ…」


髭を摘まみながら、感慨深げに呟いた。


「ワシは好きじゃったんだけど…なあ」


人気、あったんだ。

「あの一途な感じや、圧巻としか言いようがない強さ…出てくるの待ってたんじゃけど、行方不明か…」