妄想世界に屁理屈を。


「なんであんたがぁ!?」


ぴゅーっと屋上の端にまで移動するスズ。


「この近くにたまたま寄ったまでよ。ワシ人気者じゃし?」


「山を守る神様だったけ…」

ち、と少女らしからぬ見事な舌打ちをかまし。

「アカネさま、こやつを向こうに追い出しましょうか」

“あー、いーよいーよ”

「アカネ…なに!?鳳凰がいるというのか!?」


そっか、繋がってないとわからないのか。


俺のなかにアカネがいることが。


…て、ゆーか…



「な、」




特徴的な着物に、烏帽子。

噂と違い鼻は高くないが、まあ鳥っぽい。

黒い翼に物凄い髭。


パッと見伝説通りの彼。


アカネやスズは知らないけど、これなら知っていた。



「天狗――?」



“せーかい”


「柚邑にしては珍しい…まあ有名だもんねこの人」

…存在感がなかった。

一瞬本当に馴染んでて、どこから来たのかいつ来たのかもわからない。


天狗って、こんなんなの?って侮っちゃいそうになるくらいだ。