“そーゆー異界を維持し、作れるのは余程の神様じゃなきゃ無理。竜宮城だって作ったのは大綿津見神(オオワタツミノカミ)ってゆーすっげー神様だぜ?”
「作るよりも維持する方が大変ですよね」
よくわからないけど、驪さんは余程の神様らしい。
尊敬するのは波平さんとか言うような可愛い神様かと思ったら、案外やばい神様なのかも。
「驪さんって何?」
つい、聞いてしまった。
“聞きてーの?あの人はヤバイよ?”
「ヤバイというより危ない方ですからね」
「なんだそれは我の事か」
“でもなー、確かに柚邑は信用してるさ?けどね、どこで誰が聞いてるかわかんねーから、家でな”
「まあな、ワシぐらいになれば陰口も誇り高くなるのは必然的だがな」
「あ、の、あ…」
――スズの後ろになんかいる。
当たり前に会話に混ざって、しかも盛大に勘違いしてやがる。
気づかないのか、スズは「なに?」と連呼し、俺が指差す方向に目を向けた。
「む、人間か。朱雀、なぜ人間がいる」
「んんきゃああああああっ」
本当に気づいてなかったらしく、立派な声で叫んだ。


