「嬉しいか?」
「ああ!」
「そうか、よかったね人間」
にっこりとスズも笑って。
「じゃあ脱げー」
「…は?」
そんな声に振り向けば、アカネが背後で立っていた。
「…ぬ、げって、はあ?」
「脱げ」
「な、なぜに!?」
よくわからない展開にさせられている。
「男にちゃぁんと戻ったか、私が見てやんよ」
「な、え、止めて!」
「すみません柚邑さん」
おずおずと驪さんが、俺の(アカネに借りた)ジャージに向かってハサミをちょきちょきし始める。
かちんかちんっと鳴り響く音に、腹の奥がぞぞぞと震えた。
「は〜はっはっはっ!脱げぇっ!」
なんでそんなに楽しそうなんだあんたは。
「やめ、ぎゃぁあああっ!スズ!れ、驪さん、助け…きゃあああっ」
容赦なく入れられていくハサミから逃れようともがくが、スズがなんと後ろから押さえつけてきた。
「おとなしく脱げ!」
「やめてぇえええ!」
ジャージが布切れになるのに、時間はかからなかった。