叶えたいの。
彼女のために。
スズが私を崇めるように、私もタマを崇めてる。
そう、だから――
「…私は、なんとしてでも異界に行かなくちゃならねーんだ。そして、そのためにはだありんが必要なんだよ」
だありんの記憶を取り戻して、異界で守ってもらわなくちゃならない。
つまりは、そういう話になった。
武を担当する彼なら、異界の邪神どもも一発で凪ぎ払っちゃうし。
彼の状況すらわかんないけど、見つける方法がないわけじゃない。
色々なやつらに捜索を頼むつもりだ。
神様を探すというのは、そこらへんのやつらで良い訳ではなく、それなりの神格が無ければ無理だ。
最低でも、お父さんが行ったような『霊力を見極められる』というくらいの高さじゃなきゃ話にならない。
霊力――いわば本質を見極めて、鳳凰だとわかるくらいのやつら。
じゃないと、力を使ったり暴れたりなどの目立つ行動でもとらない限り、普通のやつらにゃわからない。
神様は見た目ではなく、霊力を覚えてるから。
見た目なんか弄り放題だし――やっぱり変わらない霊力(データ)の方が確定しやすいのだ。