「看病までしてくれて…そのときは玉藻前ちゃんじゃなくって、ミズクメちゃんだったんだけど」
「へぇ…ミズクメちゃん…漢字は?」
「藻に女」
「喪に女!?喪女じゃん!」
「ち、ちがっ…よくわからないけど喪にふくした女って意味じゃないよ?なんか失礼!」
必要な知識の中に喪女は含まれていなかったらしい。
プリキュアは含まれてるのに、なんでだ。
「藻女ちゃんは宮廷に上がって玉藻前という名前をもらったの」
「宮廷?大奥みたいな?」
「まあそんなもん」
はぐらかしたな。
俺はなんにも知らないと思って…子供にバカにされたみたいでムカつく。
「なあに?きょ、巨乳の可愛い女の子が上目使いで睨んでも怖くないよ?」
「あぁあああ…俺まだ女の子だったんだー…」
つい男のつもりになってしまう。
朝になったら戻るっていうけど、かなり不安…
そこで思い出した。
聞かなきゃならないことがあったんだっけ。
「あ、スズ。明日学校なんだけど」
「ああ…朝になったら柚邑の自宅に届けるから。寝坊しないでね」
さらりと言ったけど。
と、届ける?


