「ある日、玉藻前ちゃんを退治しろって通報が入ったの」
「は…?」
「玉藻前ちゃん、あれでも悪い破壊神だから」
世界を転覆させる傾国の美女。
それが彼女の世間での名だったか。
悪い神様に分類され、退治を願われたっておかしくはない。
「調査の一貫で、私は玉藻前ちゃんの捜索を開始した。
その頃は悪い神様って印象しかなかったし。
その途中案の定妖怪に食われちゃったの…」
「もはやお約束じゃない?」
お前やられすきだろ。
「それを助けてくれたのが玉藻前ちゃん」
「なんとなく予想はできた。よーするにアカネと同じような出会いってわけ」
「…ま、まあ…」
罰が悪そうに視線を泳がす。


