妄想世界に屁理屈を。



「ねたばらしすれば、お父さんは霊力をみてんだよ」


アカネが幼い父にかわって説明を開始したから、「あぁっひどいですアカネ!」と驪さんが叫んだ。幼すぎ。


「一人一人違うっていっただろ?人間みんな顔が違うように、霊力も違うんだ。

高貴な神様になればなるほど、息を吸うように霊力を見分けられる。

柚邑が男だってゆーのも、霊力に含まれた情報を読み取ったからだ」


なるほど、とってもよくわかった。

だけど、一つ引っ掛かりを覚えた。



――高貴な神様



もしかして、このちっさいお父さんはものすごい人なんじゃないだろうか。

子より親の方が偉いに決まってる。

そう考えると、なんだか驪さんが怖く感じた。