妄想世界に屁理屈を。



「なー、コイツ驚いてるみたいだから自己紹介くらいしなよー」


「あぁ…そうですね」


にっこり、と音がしそうに笑って。




「私は驪(レイ)。

この子――アカネのお父さんやってます」




「はぁああああ!?」


思わず叫んだ。

だって、この人、どうみても中学生か高校生…

アカネは20代くらいの見た目だし、年齢無理ありすぎる。


ありえない、なんていっぱい言ってきたけど。


まだ言い足りないくらいありえない。



「…う、」


すると、彼は顔を泣きそうに歪ませた。

え、ちょ、え?

「うぅ…また、またお父さんじゃないって…私は、ちゃんとお父さんなのにぃ…」

「えぇ…」

泣いちゃったよ彼。

わんわんとスズにすがりついてる。

「柚邑!驪さまを泣かすな!」

「そーだぞ?ふざけんな!コイツはれっきとしたお父さんだ!」

「ひっ、すみません…っ」


ものすごい勢いで怒られた。

アカネにまで怒られたし、俺よっぽどのことしちゃったんだなあ。