妄想世界に屁理屈を。


見抜いた…?


アカネがゆーちゃんの中に入っていることを、この人は……


霊的に繋がってないと、姿はおろか言葉すら聞こえないはずなのに。


「まあまずは。不便でしょう?アカネ、出てきたらどうですか?ここには敵はいませんよ」


その言葉にアカネは素直に従い、気がついたらアカネは目の前にいた。

出てきたらしい。


「ただいま」

「おかえりなさい、アカネ」


にっこにっこと彼は笑う。


「あとそこの人間さんも、ようこそ。

アカネのお友達ですか?」


呑気に言いやがる。

「お友達…なのかな?」

関係がいまいちわからない。

「アカネったら、男の子のお友達を連れてきて…黒庵に怒られちゃいますよー?」

「えっ…」


忘れがちだが、俺の見た目はただいまゆーちゃんだ。

ゆーちゃんを一瞬で俺――柚邑と見抜いたこの人。


絶対にただ者じゃない。