「玉藻前ちゃんは、そんなことしないで真っ向から喧嘩を売る子ですよね〜?」
まあ、確かに。
国を傾けちゃうような人がそんなことしないか。
…スズって、玉藻前のこと玉藻前ちゃんって呼ぶんだ。
「まあそんなことより、参りましょうよぉ〜アカネさまー!」
海が深くなるにつれ穴も比例して深くなるらしく、もう若干海の中に入ってるスズは穴にも足をつっこんでる。
そのちっちゃな足は濡れてない。
「驪さまもきっとお待ちですよ!」
“だなー、行くか。
おい、行け。じゃねーと乗っとるぞ?”
「いくいくいく!」
アカネにびびって走って穴へ向かう。
「っ、」
躊躇しつつ、つっこんだ足。
黒い穴は寒くも暑くもなく、ただ空間が空いてるだけだった。


