妄想世界に屁理屈を。


ザザ…ンと、波の音が大きくなった気がした。

そして――変化する。



最初は、何かの生き物かと思った。


けれど、全く違くて――




海に穴が空いたと気づくのに、時間がかかった。




「は――?」


黒い穴がぽっかりと。


波の動きなどはそのまま残っていて、まるでそこだけ異空間みたいだ。


「なに、これ――」


“むかーしむかし。いじめられた一人の神様は、逃げることにしました”


タタタ、とスズがかけていく。


“その隠れ家に選んだのが、海の中なんだ”


「それ、誰のこと?」


もしかして、昼間いってた玉藻前…?