「マルムは元は人間だった。 人間の頃のマルムを僕は知ってる。 天音も知ってるはずだよ」 「え?」 「マルム。ううん。心音さん」 「!?」 天音の目が見開かれた。 「え・・・・嘘でしょ・・・・?」 「嘘なんかじゃないよ、天音」 心音(しおん)さん。 天音のお父さん。 僕は自分で言ってて目頭が熱くなるのを感じた。 「違う、お父さんなんかじゃない。 だってお父さんは小さい頃に亡くなった・・・」 「カイザーは死んだ人に魔法をかけて姿を変えるんだ。 それがたまたま天音のお父さんだったってこと」