「後、どのくらいの時間こうやって話せていられるの?」 「・・・・それは分からん。 勝手に消えるからのぉ」 「そっか」 僕は聞いてみることにした。 「ねぇ、マルム。 今、向こうで泣いてる女の子に見覚えあるよね? それと僕にも」 「・・・・・」 マルムは表情を崩さない。 「僕はまだしも名前を聞かなくても顔見ただけで分かったよね? 天音のこと」 「え?」 僕の声が聞こえたのか天音がこちらを見る。 「風雅、どうした?」 「ねぇ、マルムさ、人間であったとき名前なんだったの?」