「早く、ワシを殺せ」
「どうして、どうしてそんなに死にたがるの?」
こうやって話す時間があるなら僕を襲えるはず。
なのに襲わない。
ますます殺せなくなる。
マルムはもう僕を襲う気なんてないのかな?
「死にたいんじゃ」
すべてを諦めたかのように仰向けになっていた。
僕は剣を目先から離した。
「なにをしておる・・・?」
「僕、殺せないよ。殺せない」
「ワシはお前さんの仲間を殺したんじゃぞ!?
なにを言っておるんだ!殺せ!ワシを殺せ!!」
「殺せない!!!」
マルムに負けないように叫んだ。
「だって悲しそうじゃん。
黎奈ちゃんと瑠雲を殺したマルムじゃないもん。
誰かに操られていたんでしょ?」
「・・・・」
なにも言い返さないってことは当たりってことだよね。


