涯はじっと黎奈を見つめる。 その背中が寂しく感じた。 見ていられなくなり、歩きだす。 「天音」 「・・うぅ・・っ・・・ぐす・・ッ・・・」 泣いてるみたいだった。 「どうした?」 「れ、ながっ・・・黎奈が・・!!」 気付いたんだろうか。 天音を優しく抱き締める。 何も言えない。 ただ抱き締めることしか出来なかった。 ひたすら泣く天音。 体は震えていた。 落ち着かせるために背中を一定のリズムで叩く。