「涯、炎虎」 名前を呼ぶと涯がこっちを見た。 「黎兎・・・」 「迎えに来た」 涯は何も聞かない。 炎虎の上からゆっくり退く。 目を閉じている炎虎。 「炎虎・・・?」 「大丈夫だっ、ただ、眠ってるだけだ・・ッ・・」 「そっか。よかった・・・。 皆を黎奈の元に運ぼうと思って」 「炎虎から頼む・・」 「わかった」 炎虎をおぶる。 服に血が滲んだが気にせず歩いた。 炎虎を運んだら次は涯を連れて行った。 涯は終始無言だった。