神聖魔法団【下】




涯の言葉は皆に聞こえていた。



泣いていた。



皆が泣いていた。



「黎奈は誰が何と言おうと俺たちの仲間なんだよ!!
大事な家族なんだよ!!

欠けちゃいけねぇ存在なんだよ!
だから連れ戻す。
お前をぶっ倒して普通の日常を手に入れる!!」




[ふふ、はははは!
面白い。やってみろよ。
俺を倒してみろよ!]



「涯!!」



炎虎の声が聞こえた。



黎奈がこっちを見ていた。



俺の声が届いたのかもしれない。


今しかない。



ありったけの魔法を手に集め、




「うわあああああ!!!」




黎奈の首元めがけて、





「黎奈、帰ってこい!!!」




魔法を発動した。