涯の言葉は皆に聞こえていた。
泣いていた。
皆が泣いていた。
「黎奈は誰が何と言おうと俺たちの仲間なんだよ!!
大事な家族なんだよ!!
欠けちゃいけねぇ存在なんだよ!
だから連れ戻す。
お前をぶっ倒して普通の日常を手に入れる!!」
[ふふ、はははは!
面白い。やってみろよ。
俺を倒してみろよ!]
「涯!!」
炎虎の声が聞こえた。
黎奈がこっちを見ていた。
俺の声が届いたのかもしれない。
今しかない。
ありったけの魔法を手に集め、
「うわあああああ!!!」
黎奈の首元めがけて、
「黎奈、帰ってこい!!!」
魔法を発動した。


