母さんの目に、もう涙はなかった。
皆は言葉が出ないのか黙っていた。
「これから決着をつけに行くのよね。
最後まで見届けたい。
なにが起きても誰のせいでもない。
それぞれの想いに正直に、嘘をつかず本能のまま戦ってほしい。
黎奈がどうとかじゃなくて貴方たちにも生きて欲しいから。
だから自分を仲間を信じて戦ってほしい」
母さんの言葉を皆はしっかり受け止めた。
「もうそろそろ来ると思います。
空気が少し変わりました。
黎華さんと黎兎は炎虎のシールドの中にいてください。」
俺には分からないが皆の表情が少し強張ったってことは何か気配を感じるのかもしれない。
俺は母さんの隣に移動した。
左手についてる黎奈のブレスレットを包み込むようにして右手で掴んだ。
「魔力がどんどん強くなってきた。
くるぞ」
涯がそう言い、皆に目配せをする。
「今回は魔力をだしながら僕たちに近付いてくるんだね」
「俺らをなめてんじゃねぇか?」
「もし、そうだとしたら黙ってはいられないね」
瑠雲がそう言ったと同時に
[さぁ、ショーの始まりだ]
気味の悪い声が聞こえた。


