神聖魔法団【下】




ピクッ



不意に足を止める。



「ふっ」



本当、炎虎は素直じゃないな~。



何も聞こえなかったように俺はまた歩きだした。



炎虎、俺は聞いてないよ。



俺が歩きだしてから小さな声で「ありがとな」って言ったことを。










雷の元に行くと瑠雲が必死に雷の名前を呼んでるのが聞こえた。



「らい、とっ・・・」



「瑠雲!」



俺が声をかけると事情を話してくれた。




やっぱ雷は気絶していた。



今もまだ目を覚ましていない。



「雷、雷」



呼び掛けても応答なし。



少し怖くなった。



雷がこんな風になっているのを初めて見たから。