ピクッ
不意に足を止める。
「ふっ」
本当、炎虎は素直じゃないな~。
何も聞こえなかったように俺はまた歩きだした。
炎虎、俺は聞いてないよ。
俺が歩きだしてから小さな声で「ありがとな」って言ったことを。
雷の元に行くと瑠雲が必死に雷の名前を呼んでるのが聞こえた。
「らい、とっ・・・」
「瑠雲!」
俺が声をかけると事情を話してくれた。
やっぱ雷は気絶していた。
今もまだ目を覚ましていない。
「雷、雷」
呼び掛けても応答なし。
少し怖くなった。
雷がこんな風になっているのを初めて見たから。
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