「・・・ありがとう」
小さな声だったが聞こえた。
「もう、大丈夫・・。
炎虎、たちの、ところにも・・・。」
天音の体をゆっくりまた寝かせ、頭を撫でてからその場を離れた。
風雅に「また来るな」と残して。
炎虎は隅っこの方で横になっていた。
こっちを背にしてるから表情は良く見えない。
前に回り込んで表情を見ようと腰を下ろす。
「炎虎ー?」
呼び掛けてみるが返事はなし。
体を揺さぶろうと触れようとしたとき
「いってぇ・・・」
ボソッと呟いたのが聞こえた。
お腹が痛いのか抑えている。
「お腹痛いのか?」
「ちげぇよ・・。丸まっていねぇと、痛みが、楽に、ならねぇんだよ・・・」
まだ炎虎の体には痛みがあるってことは炎虎だけまだ魔法が消えてないのか?
個人差?
「はぁ・・・。魔法は、多分、もう消えたっ・・・。
ただ、体が、まだ痛みをっ覚えてるだけかも、しれねぇ・・・っ」
苦しそうに言うもんだから、たまらず体をさすった。


