「大丈夫か?」
大丈夫なはずがないが、この言葉しかかけることが出来なかった。
「お、わった、の・・・?」
「体に痛みがないなら終わったんじゃない?」
「良かった・・・」
風雅の目に涙が溜まっていたので袖で拭いた。
「ん?」
服を掴まれた気がして振り向くと横になったままの天音が俺の服を引っ張っていた。
「どうした?どこかまだ痛む?」
手を握り、顔色を伺う。
「ううん、大丈夫・・・。
ただ、怖くてっ・・」
天音の体を抱きあげ辛くない態勢で抱き締めた。
怖いはずだよな。
今まで感じた事ない痛みが体を襲うんだから。
俺はその痛みを感じてないから分からない。
だから天音が安心できるまで抱き締めようと思った。
強く、強く。


