「はぁ・・・」
炎虎が深いため息を吐く。
振られちゃったな。の意味で肩を軽く叩いた。
怒られると思ったけど違った。
「おめぇの姉ちゃんのおかげで友達を・・・仲間を失わずにすんだ。
いい姉ちゃんだな。必ず連れて帰るからな」
励まそうと思ったのに逆に励まされてしまった。
下唇を噛みしてる俺の頭をポンポンと優しく叩いた。
俺が元気ないの気付いてたんだ。
はぁ・・・。
俺はここにいる人に一生勝てない気がする。
「瑠雲、涯見なかったか?」
「あー・・・。宿題だしに行った帰り会議室の前通ったんだけど何か涯の怒鳴り声が聞こえた」
「は?」
雷の顔が怪訝そうな表情になる。
「いや、よく聞き取れなかったんだけど、ふざけるな。アイツは・・・生徒だ!って言ってた」
「そこの・・・は何だよ」
「聞き取れなかった」
必死に思い出そうとしてるみたいだった。


