「大丈夫よ。お母さんはここにいるからね」




優しさがまた俺を泣かす。




「母さん・・・ごめ、ん。俺・・守れなかった・・・っ。
守れ、なかった・・ッ・・・」



「え?」



「黎奈、の、こと・・。守れ、なかったっ・・・」



「・・・・」



母さんは何も言わなかった。




伝わらなかったのかもしれない。



きちんと言おうと口を開きかけた、





が、




やめた。





母さんの肩が震えている。




体が微かに震えていた。




「俺・・・」




「もう、いいっ・・・もう、何も、言わなくて、いいからっ・・・」




声が震えていた。



母さんも泣いていた。