神聖魔法団【下】




side黎兎




いつものバス停で降りる。




なにも変わらない帰り道。




ただ、1つだけ違うのは



隣に黎奈がいないこと。




いつもなら話ながらここを歩いてたっけ。




ふと、足を止める。




あ、ここの電柱で黎奈自転車ごと突っ込んだっけ。




中学生の時、ふざけて二人乗りしてたら見事にぶつかったんだっけ。




あの時は怒りより黎奈の笑い声につられて笑った覚えがある。



なんだかんだ言って俺アイツに弱いのかな・・・。



そう思いながら電柱の横を通り過ぎる。






今日、母さん家にいたっけ。



いないと良いな。





この状態で母さんに話せるかどうか・・。



俺も気を抜いたら泣きそうだし。