「アイツは、黎奈は何て・・・?」
「私が皆を守ります。絶対に誰も死なせません。
這いつくばってでも守ります。って」
全身に鳥肌が立った。
いつもそうだ。
アイツは人のことばっかで自分のことなんて後回しで。
涙が止まらなかった。
結局、守られていたのはいつもいつも俺たちだった。
「それとね、もう1つ言ってたよ」
兄貴の言葉にまた涙が溢れた。
「犠牲になるのは私です。だから安心してください。って。
そう言った時の黎奈の目は今でも忘れられない。
真っすぐで、あぁ本当に仲間が大好きなんだな。って思った」
なんで、なんでアイツは・・・。
「兄貴っ・・・肩、貸して・・・ッ・・」
「いいよ」
兄貴の肩に額をつける。
「うっ・・・くっ・・・ッ・・・」
静かに泣いた。
「・・・ぐす・・っ・・」


