神聖魔法団【下】




「やっぱり。
海に行った日、黎奈と少し話したんだよね」



あ、帰りの時か。




「なに話したんだよ?」



「その前に何があったか話して」



「・・・・・。本当に聞くんだな?」




「うん。聞くよ」




真剣な眼差し。




俺は細く息を吐くと話しだした。




「今日、カイザーに会った」



「!?」



兄貴の目が見開く。




「それで、戦った。
俺もやられた。雷も、風雅も、瑠雲も、炎虎も。

その中で助けてくれたのはやっぱり黎奈だった。」



「うん」



「必死に俺らを助けてくれた。
がむしゃらに、全力で・・・。

カイザーは卑怯だったよ。
黎奈に黎兎を殺すって脅して。」



泣きそうになるのをグッとこらえる。



「カイザーは本気だった。
本気で黎兎を殺そうとした。
俺たちも守ろうとした。だけどアイツの魔法で体の自由を塞がれて何も出来なかった・・・っ。

もう終わったと思った。
黎兎を助けれない自分を恨んだよ。
でも、違った。

違ったんだよ・・・ッ・・・」