「やめろ!!」 「近付くな!!」 「黎兎から離れろ!!!」 皆が必死に叫ぶが歩くのを止めない。 やめて、黎兎に近付かないで・・・。 声を出したいのにカタカタ体が震える。 怖い。自分が死ぬより怖い。 黎兎だけは失いたくないの。 だからやめてよ・・・・。 近付かないで・・・・ッ!! 私の願いも届くはずもなく 黎兎の一直線上にカイザーが立った。 その距離およそ10m。 この近さで魔法を喰らったら普通の人間の黎兎は絶対に死ぬ。 奇跡が起きたとしても目を覚ますかどうか・・・。