<そうだ>
怒りで体が震えた。
「殺すなら俺から殺せ」
雷がとんでもないことを言った。
「俺は黎奈の大事な仲間だと思われている。
だから俺が死んでもきっと黎奈は悲しみ怒るだろう。
だったら孫もくそもあるか。俺を殺せ」
「雷・・・」
「なら俺も殺してくれ。
大事な仲間が死んで怒らないヤツはいない。
黎奈は怒り、そしてお前を殺すだろう」
「涯までやめてよ・・・」
「俺たちは本気だ」
<はは。あっはは!人間のこういうところが面白い。
仲間の為に自分を犠牲にする。最高だな>
「仲間がいない奴には仲間の大切さなんか分かんないよ」
<そうだな。だが、俺はLichtの孫を殺すと決めたんだ。
いくらお前たちが言おうと変えない>
「やめて、お願いだから黎兎くんだけは殺さないで!!」
天音が泣いて訴えてもカイザーには届かない。
ゆっくり黎兎に近付いて行く。


