神聖魔法団【下】




<そうだ>




怒りで体が震えた。




「殺すなら俺から殺せ」




雷がとんでもないことを言った。




「俺は黎奈の大事な仲間だと思われている。
だから俺が死んでもきっと黎奈は悲しみ怒るだろう。
だったら孫もくそもあるか。俺を殺せ」



「雷・・・」



「なら俺も殺してくれ。
大事な仲間が死んで怒らないヤツはいない。
黎奈は怒り、そしてお前を殺すだろう」




「涯までやめてよ・・・」




「俺たちは本気だ」




<はは。あっはは!人間のこういうところが面白い。
仲間の為に自分を犠牲にする。最高だな>



「仲間がいない奴には仲間の大切さなんか分かんないよ」



<そうだな。だが、俺はLichtの孫を殺すと決めたんだ。
いくらお前たちが言おうと変えない>



「やめて、お願いだから黎兎くんだけは殺さないで!!」




天音が泣いて訴えてもカイザーには届かない。




ゆっくり黎兎に近付いて行く。