神聖魔法団【下】




私は走っている黎兎をボーっと見る。





全体で大体3番目ぐらい?





速いな~。




「ねぇ、黎奈」




「ん?」




体を天音から離す。



「私、本当に黎兎の彼女で良いのかな・・・」





天音がある方向を見ながら悲しそうに呟く。




私もそっちに視線を移す。





視線の先には黎兎を見て黄色い声を上げている女子がいた。




いくら学校公認のカップルでも一部の人達はそれを認めていない。




「黎兎は天音のことが大好きなんだよ。
天音も黎兎が大好きでしょ?
だったら周りのことなんて気にせず堂々としてれば良いの」




「うーん・・・」





「いいこと教えてあげよっか?」




「?」



「黎兎、家でねスゴイ天音のこと話してくるんだよ。
今日こういうことがあって可愛かった。とか好きすぎてヤバい。とかとか。
正直たまに鬱陶しくて叩くときあるけど、話してる時の表情が本当に幸せそうで。
あー、本当に好きなんだなって思ってさ。

だから、そんなに心配する事ないよ。
不安なら聞いてみたら?
絶対安心できる言葉が返ってくるよ」



不安そうな表情の天音の頭を優しく撫でる。