「あ、目、覚ましたみたいだよ」
黎奈の声で皆がベットに近寄る。
「もう大丈夫か?」
涯の言葉に
「うん!もう元気!!」
ニカっと笑って答えた。
いつもの風雅だ。
皆もそう思ったのか安心した表情をしていた。
「風雅、この方が話があるそうだ」
雷に紹介され、おずおずと前にでる。
「なにか?」
その人の胸に抱かれている子の顔を見た途端
「あ!助かったんですね」
さっきよりも笑顔になった。
「はい。あの本当にありがとうございます。
もうなんてお礼を言ったらいいのか・・・」
涙ぐんでお礼を言う母親。
「いやいや、そんなお礼だなんて良いですよ。
助かったのなら良かったです!」


