「里奈里奈・・・。」
「大丈夫ですよ、今俺の仲間が助けに行ってるので」
「里奈を里奈を助けて・・・」
涙ぐみながら必死に訴える母親の姿は見ていて苦しかった。
「絶対助けます。
それと、ここは危険なのであちらに行ってください」
母親がいたのは岩場だった。
足場が悪く下手したら落ちるかもしれない。
「でもでも・・・」
そう言って中々動こうとしない。
「ここもいずれ海に呑まれます。
里奈ちゃんも岸辺の方まで連れて行きますから先に行っててください」
俺の言葉が通じたのか海の方を気にしながらも移動してくれた。
さて、俺も行きますか。
雷たちがいるであろう場所に向かって泳ぎ始めた。
波が高くなってきており、早く助けないと大変なことになる・・・。


