「これ、海の中にあったの?」 「あった」 じっくり雷が持っている貝殻を見つめる。 「やるよ」 「え?」 雷が持っていた貝殻がいつの間にか私の手の中にあった。 「いいの?」 「あぁ。まぁ、お前にあげるために取ったもんだし」 「え、そうなの?」 もう1度貝殻を見つめる。 綺麗な淡いピンク色の貝殻だった。 「ありがとう」 「ッ・・・いや、別に」 この時、雷が照れていたことに気付かなかった。 気付いていたのは瑠雲だけ。 「黎奈、よかったね」 「うん!大切にする」 「あぁ」