「どうした?」




すごく不安そうな顔をした母さんがいた。




「いや、黎奈こんなにも遅くなることなかったじゃん?
だから何かあったのかなって思って・・・」




母さんも心配なんだ。



気付かないふりをしてて本当は知りたくて仕方ないんだ。




「俺から話していいのか・・・。
黎奈が話してくれると思う」



俺が簡単に人に語って良いほどの事じゃない。



母さんには悪いけど、俺からは言えない。




「そう・・・。わかったわ」



母さんの顔を見るのは凄く辛かった。




「大丈夫だよ。黎奈のことだ、すぐに敵を倒すよ。
黎奈ならやれる」




自分に言い聞かせるように呟いた。




「そうよね。黎奈だもん。
私と綾兎の娘だもん。」



母さんもまた自分に言い聞かせるように言っていた。




「あぁ。ごめん、俺寝てくるわ」



「わかった。お母さんも寝てこよ~」



欠伸をしながら部屋に戻って行った。