神聖魔法団【下】




「なぁ、黎奈」




「んー?」




「父さんに会いたい?」




「え・・・?」




黎兎の方を見ると悲しそうに笑っていた。




「いやーさ、天音の父さんが闇族・魔族に姿を変えられてたんだろ?
・・・・・こんなこと思っちゃいけないけどさ、
俺、カイザーって奴が父さんだったら良いなって話聞いてて思っちまってさ・・・」




「黎兎・・・」




確かに私もそうであってほしいと一瞬だけなら考えた。




でも、そんなことはないと思い直した。




「こんなこと考えちまうってことは俺羨ましかったのかな。
天音のこと。父さんに会えて良いなって思った」




「私も思ったよ。できることなら会いたい。
でも、それは不可能なことだから。
・・・・・まぁ、私たちがこうやって思ってるだけでお父さんは幸せ感じるのかな~。
感じててほしいね」





笑いながら言うと




「そうだな」




黎兎も同じ調子で返してくれた。