「ふぅ~」
ただいま帰りのバスの中。
隣に居る黎兎は眠たそうだった。
「お母さん家に居るかな」
「いると思うよ。今日仕事休みって言ってたし」
「そっか・・・」
会ったら、まず何て言えばいいんだろう。
言葉が見つからない。
「黎奈?」
「わ!・・・なに?」
考え事をしてたら急に声をかけられた。
「いや、バス着いたけど・・・」
そう言われて外を見るといつも降りているバス停があった。
「あ、あぁ!うん、降りよ降りよ」
「?」
黎兎は不思議に思いながらも何も聞かなかった。
バスを降りて家までの道のりを歩く。


