「瑠雲、1つ私のお願いを聞いてほしい」
重い空気の中、天音が黎兎から離れ瑠雲に話しかけた。
涙は止まっていた。
「なに?」
「お父さんの分まで生きて欲しい。
いっぱい笑って時には泣いて・・・。
お父さんが普通に過ごして生きたかった日々を生きて欲しい。
その方がお父さんも喜ぶと思う。
だからそんな暗い顔はしないで。笑って!!」
天音・・・。
最後の「笑って」の言葉の天音の表情が眩しいぐらいの笑顔で何故か涙がでそうになった。
「瑠雲、心音さんがくれた命だ。
精一杯生きてやれ。それが今お前に出来ることだ」
涯の言葉に
「あぁ!」
涙ぐみながらも、そう力強く返事をした。
「それでこそ瑠雲だ!」
炎虎が後ろから瑠雲に飛び着いた。
飛び着いたっていうか首を軽く締めていた。
「痛いって」
瑠雲も楽しそうだった。


