「でも、あの時は本当に怖かった。
もうあんな思いしたくない」
「俺も」
「俺もだ」
風雅の言葉に賛同する雷、涯。
「ごめん、本当にごめん・・・」
「いや、ちげぇよ。お前を責めるために言ったわけじゃねぇよ」
あまりにも瑠雲が暗い顔をするもんだから炎虎が慌てだす。
「そ、そうだよ!今こうやって生きてるんだから、そんな暗い顔しないで!」
風雅も慌てている。
「今こうやって生きてられるのは天音のお父さんのおかげなんだよね?
俺の命と引き換えに自分の魂を・・・」
その言葉に誰もが口を閉ざす。
そう天音のお父さんは自分の魂を引き換えに瑠雲を生き返らせた。
ということは天音のお父さんはもうニ度生まれ変われない。
輪廻転生ができない。
瑠雲からしてみれば1人の命を奪ってしまったことになる。
誰も今の瑠雲の気持ちを感じることなんてできない。
言葉がかけられなかった。


