色のない世界

十分後、襖が開いた。

そこに立っていたのは、紛れも無く浅井のおじちゃんだった。

「おじちゃん!」
私は声を弾ませて呼んだ。

すると、おじちゃんは、無言ですごい勢いで私の前に来て抱き着いてきた。

「とぉもぉかぁちゃゃーん。元気だったか?ごめんよ、ごめんよ」
と泣きながら謝ってきた。

会えた事はもちろん嬉しいけど、そんな泣かなくても…

その前に…おじちゃん。

くっ、苦しい…

「おぇっ」
苦しくて、ついむせてしまう。

それをきっかけに、我に返ったようで、解放してくれた。


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